昨日はついに米国10年国債の利回りが4.5%を割り込み、4.47%まで低下しました。これはサブプライム問題の沈静化のために、米国の中央銀行FRBが9月18日に開催予定の次回FOMCで、FFレートを大幅に引き下げることを前提にした動きです。現在のFFレートの水準が5.25%であるわけですから、どのくらいの幅を引き下げると市場は読み込んでいるのでしょうか。
個人的には現在の米国10年国債の4.5%割れは明らかに行き過ぎ、市場のミスリードだと思っています。市場に催促される形でFRBがFFレートを引き下げても、市場は次の引き下げを期待するだけで、FRBの政策余地を狭めるだけでしょう。下げるにしても、催促された形で行うのは避けると予想します。中央銀行として今やるべき事は、金利を多少下げることではなく、お金の必要なところにお金が届くように、お金がスムーズに流れる仕組み作りではないでしょうか。FFレートの引き下げ幅に注目する市場のあり方に危険を感じます。
非常に少数派の見方ですが、私は今、もし市場で確実視されている次回FOMCでのFFレート引き下げが見送られた場合、相場にどんな影響が与えられるかを考えています。まだ結論は出ていません。
昨日から今朝にかけてのニュースを見ると、これまでの「サブプライム問題の深刻さ、いかほどか」という被害を推し量る段階から、「サブプライム問題を発端にした米国住宅市場の具体的な被害」など、実際どうかはわかりませんが、具体的な数字が出始めて、市場は「サブプライム問題、あなどり難し」と数字を確認して動揺する段階に入ったのではないでしょうか。
不安に思っていたことの現実が見えてきたことは、相場が収束に向かい出したということです。
まだ宣言するには早いですが、相場の急回復は期待しにくいものの、最悪の時期は過ぎたのではないでしょうか。
私の現在のモノサシで、割安のメドは、米ドル114円、日経平均14000円、国内長期金利1.4%に置いています。