米国10年国債利回りは3.11%、6年10ヶ月ぶりの水準まで上昇してきました。
金利が上昇してくると資金調達コストの負担が大きくなるので早めにドルを確保しようとしますからドルの価値が高くなっていきます。
ドルと他通貨との相対的な価値を示す「ドル指数」はこの3ヶ月で88.15から93.58までジリジリと上昇しています。
ドル円は18日、一時1ドル=111円台と4ヶ月ぶりの安値をつけました。
さらに原油価格の上昇が追い打ちをかけています。北海ブレントは1バレル80ドル程度まで、米国WTI原油価格は1バレル72ドル程度まで上昇してきました。
原油価格の上昇は、エネルギー価格や輸送・物流費、化学製品価格など生活に密着したコストに直ぐさま影響がでてきます。
原油価格が上昇してくると、多くの人は生活が厳しくなる怖れから消費を手控え、節約志向が強くなります。
「金利は上がることはない。日銀はそれを容認しない」という常識。「原油価格はいずれ反動で大きく値下がりする」という常識。
これまで信じられてきた常識を疑い出したときから、本当の価値、妥当な価値を探る動きになります。
多くの場合は、妥当水準ではとどまらず行き過ぎまで行ってから振り子で戻ってきます。そこまで売られるか、買われるか、淵まで見ないと治まりません。
「やはり割高な水準だったか。どこまで下がるのか」「やはりマイナス金利が永遠に続くわけがない。どこまでの金利上昇はあり得るのか」と
リスク資産の価値、金利水準、為替水準ついて、あっちだ、こっちだとマーケットが右往左往する事態がまもなく来ると考えたほうがよいと思います。
抜けていくものの価値は下がり、抜けていった資金が向かう先の価値は上がる。資金の流れが大きく変わるときはチャンスでもあります。