連日の円高ドル安、日本株安。アメリカが危ないとか、日本株は外人投資家に見放され、さらに下がるのは必至とか、ドルを持っている人、日本株を持っている人で不安な毎日を過ごしている人がいるでしょう。
「ここは分散投資で、元気のいい新興国株式やユーロにも投資をしたほうが良いのではないか」、「インフレを考えたら、商品ファンドや不動産投信も必要か」と思い悩む人も多いかもしれない。
私は新興国株式や商品相場全般、そして最近少し調整している不動産相場も、将来振り返れば「あの水準は割高だった」と述懐する水準だと思っています。分散投資をしていれば元本割れをしないというわけではありません。値下がりの度合いを小さくできるという話です。
「割高だけど、まだ上がりそう」と積極的な意味で分散投資の対象にするならよいのですが、資産を守るために、分散投資の対象として、わざわざ割高なものを組み入れなくてもよいのではないでしょうか。上がり続ける投資対象は存在しません。上がるほど下げは大きくなるものです。損を小さくするつもりで組み入れたものが逆に下がるという二次遭難に遭うこともあります。
米ドルや日本株、最悪どこまで下がると想定しますか?105円、104円、100円割れ?14000円、12000円?想像してみましょう。
分散投資で加えようとしているユーロ、新興国株、不動産はこの先どこまで上昇し、それによって米ドルや日本株の損をどの程度カバーしてもらうことが期待できるのでしょうか?
どこまで上昇するのか?そして天井を打ったときにどこまで下がるのか?想像してみましょう。
おそらく前者はある程度の想像ができても、後者は相場任せ、風任せで、明確なイメージをお持ちの人は少ないのではないでしょうか?
リスクは想像がつかない度合いのことを言います。ということは、どちらのほうがリスクがあると言えるでしょうか。
円高米ドル安、日本株安はこれからも続き、円安ユーロ高、新興国株・不動産の値上がりはこれからも続きそうだという想定がないと、分散投資の意味がありません。
米ドルや日本株の将来に悲観するなら、ここは投資を中断し、円現金に換えて、割安になるのをしばらく待ったらいかがでしょうか。くれぐれも安易な分散投資に走り、余計な不安を抱え込むことがないようにご注意ください。