今月の視点 2022年2月

ご相談予約

2022年2月 インフレ対応による株価下落を前提に準備を

インフレは「一時的なもの」というこれまでの見方を変え、米連邦準備制度理事会(FRB)は、インフレ抑制を狙った金融引き締めを急いでいます。パウエルFRB議長は、1月26日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)で、3月の利上げ開始を示唆。「インフレが続く足元の経済環境は、過去とは大きく異なる」と何度も強調したため、マーケットでは利上げとFRB保有資産縮小の同時進行により、株式相場が下値を探る展開に入ると予想する見方が増えてきました。

米国2年国債利回りは既に、政策金利を5回程度引き上げられることを前提にした水準である、1.2%程度まで急上昇しました。これに突き上げられる形で、米国10年国債利回りはコロナ禍前の水準に戻り、さらに2%を超えて上昇していく気配です。

ナスダック100指数は、世界最大の新興企業向け市場・ナスダックに上場する、金融業を除く時価総額上位100社で構成される株価指数ですが、昨年末高値から15%程度下落し、未だに下落基調が続いています。

新型コロナの感染拡大で20年3月に景気後退に陥ると、FRBは即座に前例のない規模で金融緩和を行い、景気回復のためにジャブジャブと資金を供給しました。

当時、「現在の緊急事態では景気回復のための財政出動に躊躇してはいけない。景気が回復基調になり物価が上昇してきたら、速やかに金融を引き締めれば過度なインフレを回避できる」と、専門家の多くはFRBの金融緩和策を支持していました。

しかし、12月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比7.0%と39年半ぶりの高水準になり、労働市場の逼迫で人件費が上昇して、21年10~12月期の雇用コスト指数が前年同期比4.0%と20年ぶりの伸びとなりました。そこでFRBは、今度は逆に、マーケットが多少混乱しようとも、物価の安定に必要な引き締め措置を取らざるを得ない状況に追い込まれました。

  • 米国株式の下落はしばらく続く

マーケットには、3月以降政策金利を引き上げていく過程でマーケットが不安定になれば、FRBが利上げを見送るなど、マーケットに配慮した対応を期待する見方もあります。

しかし、FRBが明確にインフレ抑制に舵を切った以上、CPIや雇用コストの数字が沈静化しないうちに金融政策を再び緩和に戻すのは困難だと、私は思います。中途半端に引き締めを緩めると、持続的なインフレの上昇を止められず、インフレ鎮圧のため、さらに厳しい金融引き締めを進める羽目になりかねないからです。そのほうが金融市場に対するダメージは大きくなってしまいます。

従ってFRBは、インフレをコントロール下に収めるまで引き締めを続けるでしょう。金利の上昇は借金の返済を促します。流動性が高く、値上がり期待の高かった米国株式は、現金化のために売られやすい環境が続き、当面、米国株式相場は、上下に大きく動く場面が増えると予想します。

 

割安になるのを準備して待つ

ただし、3月以降利上げが始まって、「どんな頻度で、どれくらいの幅の利上げを行うか」など、FRBの引き締めのテンポが見え、政策運営の不透明感が和らいで来ると、投資家心理は改善し、株式市場は徐々に安定して底を打つ展開になるでしょう。

株式投資の魅力は大きな値上がり益です。そのリターンを得るチャンスは、当然ですが高値圏の時ではなく、大きく値下がりして割安になった時です。「この先にチャンスが来る」と、ワクワクしながら待つ準備を整えておきましょう。

このような場合、今後大きく株式相場が下落する局面があることを前提に、「下落した株価が戻って来る時に成果が上がる」積立投資の継続がより有効になります。

個別株式に投資をされている方は、「この先、株式相場が大きく値下がりした時は追加投資のチャンス」と、乗り出すことができる状態にあるかどうかを確認してください。

株価が2割以上値下がりすると、多くの人は売却に躊躇します。「チャンスだけど売れるものがない」という状況になりそうな方は、保有している銘柄の一部を売却して現金化し、下がったときに投資できる資金を確保しておいたほうがよいでしょう。

タイトルとURLをコピーしました