本日の日経新聞記事に「消費、低迷ではなく偏在」という記事がありました。骨子としては、「消費者は買い控えているのではなく、魅力的な提案を待っているだけ」、「消費停滞の裏には購買意欲を掘り起こせない売り手の原因もあり」というものでした。
まさに「貯蓄から投資へ」の投資の世界でも同様だと思います。セミナーに来られる人や、相談に来られる預金者・投資家の方々は、口々に「投資は必要だと思う。勉強したい。だけど聞ける人が回りにいない」と嘆きます。一方売り手は「相場が低調で、これまで積極的だった投資家も慎重になり、販売が伸びない」と嘆きます。
投資のニーズがこんなにあるのに、金融商品が売れないのは、魅力的な金融商品がないからでしょうか?魅力的な金融商品があれば、投資家は投資に積極的になるのでしょうか?どうも、品揃えが十分ではないから売れないというのは、売り手側の言い訳であると言わざるを得ません。
だって、こんなにたくさんの潜在的な投資家が、「今後どうしたらよいか」に悩んでいるのです。「投資なんか必要ない」と言っているのではなく、「投資をしたいけど、どうしたらよいか」と悩んでいるわけです。これは完全に売り手側に「金融商品が売れない事情」があり、品揃えのせいにしているうちは改善は困難でしょう。
「回りに相談できる人がいない」と投資家は嘆いているじゃないですか?何故、これに応える努力をしないのでしょうか?窓口を増やしたり、人数を増やすことが解決策ですか?今まで、窓口や人数が少なかったから、投資家のニーズに応え切れなかったのでしょうか?
数や人数を理由にしているのであれば、それは明らかな間違いです。
投資家のほとんどが金融機関の窓口で、自分の悩みや不安を解決する窓口として期待していないのが問題です。期待できるような体制作りのまず一歩は、「投資家の話に耳を傾ける」当たり前の行為ではないでしょうか?
ある証券会社の店頭に相談に行った時に、「どこが相談窓口なのか」もわからず、社員の誰からも声をかけてもらえず、結局帰ったそうです。これじゃあ、金融商品が売れないのは当然だと思いません??