日経平均株価が14000円台に乗り、今週の株価見通しで「PER(株価収益率)で見れば、もはや日本株の水準は割安とは言えない」というコメントが出始めました。12000円、13000円の水準では「下値はどこまであるか」に注目が集まりましたが、現在は「どこまで上がるか」という注目に変わった表れだと思います。
「PERではすでに割安ではない」→「PERで世界の水準と比較すると、むしろ割高感がある」にコメントが変わり、それでも実際の株価がジリジリッと上昇を続けると、次はチャーチストの出番です。「罫線や波動で言えば、16000円。これを時間をかけずに抜けるとエネルギーが貯まっていたので、昨年の高値まではそう時間はかからないでしょう」と、PER(株価収益率)も解散価値も配当利回りもヘチマもなく、ムードが先行し、妥当価格から割高の世界に入り込んでいくのだと思います。
チャートの見方があちこちで取り上げられるようになったら、短期に値上がり利益を狙う投資家がドドドーンっと増え、値が軽くなります。「高くなったら売ろう」と考えている売りたい人も様子を見るようになり、ますます値が軽くなります。今後の日本株相場のムードを知る指標は「チャート分析」への注目度です。どこのニュース媒体を見ても「チャート分析」の話が花盛りになって、「今後の日本株はどうなる」的な話題が中心になれば、目先の高値をつけにいくのだと思います。
そのチャート分析の話は「今から投資して良いのか」と迷う投資家が求めている内容でもあるのでしょう。チャート分析の話で、迷っている背中を押してもらいたいという投資家心理。
これから日本株相場の水準が上がるとすれば、その原動力はムード。理屈ではありません。長期投資家にとっては、ここは冷静に株価の上昇を楽しみたいものです。