「株式のようで株式でない、デンデン。債券のようで債券でない、デンデン。それは何かと尋ねたら。EB債、EB債」。Exchangeable Bond (エクスチェンジャブル・ボンド)を略して、EB債といいます。EB債の当初は、通常よりも金利を高くして、お得度が高そうな債券の顔をしていますが、ひとつ条件がついていて、発行当初決められた水準以上に株価などが大きく下げると、債券から損を抱えた株式に変わり、大きな損をしていしまう可能性がある債券です。
前回のITバブルが崩壊したときには、「債券だと思って買ったのに、いつのまにか株に変わってしまい損をした」と顧客の苦情が殺到した金融商品です。この金融商品の案内がまた出始めたようです。少し仕組みを変え、名前を変えているのは、意図的なのでしょうか。
この商品の仕組み自体が悪いわけではありませんが、仕組みが複雑で、株式投資に不慣れな人がこれを理解して購入するのは難しいと私は思います。にもかかわらず、不特定多数にばらまくように案内されてしまうやり方は問題だと言わざるを得ません。この商品を買う前に、?株式を買う、?債券を買う、?普通の債券よりも利息が多く、株式はそこまで値下がりしないと確信しているから、このEB債を買う、の選択を投資家はしなければなりません。投資家がそこまで自分で判断するのが難しいと想定するならば、販売側が判断できるまでのサポートを責任持ってやるべきです。特に前回不幸な事例が実際あったわけですから、「何故今EB債が投資家に必要なのか」、背景の説明を聞きたいものです。「まさか、過去にそんなことがあったなんて」と、恐ろしいことは言わないでしょうね。