本日の日経新聞に「証券化商品、リスク管理を厳格化。金融庁、銀行への監督強化。経営陣の責任重視」という記事がありました。運用のプロであるはずの金融機関が、格付け会社の説明をうのみにして投資を行い、証券化商品の内容を認識できていないところがあるのではないかと疑っているようです。そして、そのリスク管理の監督責任を経営陣に求めるという指導です。
これに対して金融機関側には、「経営陣に損失見通しの是非を見極めるのは難しい」という声もあり。それはそうだと私も思います。現場の運用担当者が理解できていないことを、その担当者から説明を聞いても経営陣が理解できるわけがないのは当然でしょう。
そう言う意味では、まず「格付け会社」や「証券化商品」を作る側の情報開示を徹底させ、前向きでなければ罰するといった情報の充実を促すべきだと思います。情報が十分なのにもかかわらず、理解できずリスク管理が不十分な金融機関は当然責められるべきでしょう。
逆に金融機関が「自分の理解できていないものを顧客に販売している」方が問題ではないでしょうか。顧客に説明できないものは売れない。「担当者に商品を完全に理解させてからでないと、顧客に案内してはならないというルールは厳しい」という金融機関が案外多いのでは。自分でリスクが理解できていないのに、顧客にリスクの度合いを説明することは無理な話です。