割安になったから中長期の視点で投資した人も、わかって投資したにもかかわらず、成果に好転が見えず、退屈に過ごしている人が多いと思います。短期で「売りでも、買いでも」儲かればいいという投機家にとっては、「買い」でも成果が出ず、「売り」でも成果出ず、こういう相場は「何をやってもダメ」と様子を見る人の数が増えているという話が耳に入ってきました。
しかし、これだけは言えると思うのですが、「さすがにここは売られすぎだよね」、「さすがにここまで戻れば、良いところじゃない」という、まだラフではありますが、「上値」と「下値」の水準感のイメージはできあがってきたように思います。
最近新聞の業績記事をみると、「30%減益」、「60%減益」など減益決算の発表が目立ちます。これも、昨日今日で分かった話ではなく、今年の年初から議論され、実際共通認識になってきたことが大半です。したがって、悪い数字も良い数字も、すでにそこには驚きがないため、将来の株価予測等に大きな影響を与えるものになりません。そのため、一時的にムードで売り込まれすぎたもの、買い込まれてしまったものは結局は元の位置に戻ってきます。
ただひとつ、対応を間違えると大きなパニックを引き起こす爆弾になっていたのがサブプライムの関連問題でしたが、これも今のところ関係者のアピールが効いていて、「先行きが全く読めない」というパニック状態にならずに済んでいます。
昨日は車で遠出をしたのですが、どこも渋滞はなく、気がついてみれば、以前工事中だった1車線が2車線に増線されていたり、非常に運転が楽に感じました。「確かにコストは高くなったけど、渋滞の不愉快さは改善している」。
ガソリン高騰など物価高騰により、いろいろな弊害が出てきていますが、我々消費者にとっては、「重要で欠かすことができないもの。当たり前に使っていたけど他で代用できるもの。別になくても困らないもの。無駄にしていたもの」を見直す機会にもなっています。
同様に、投資もここまで膠着してくると、金融機関側の提案や金融商品の品揃えの視点も、「投資家にとって欠かさず重要なもの。重要だけど、その重要さの伝え方に工夫がなかったもの。正直言って、投資家にとって何の役にも立たなかったもの。もっと言えば、勧めるべきではなかったもの」の検証・検討なしに今までの通り進めていけば、投資家の気持ちはますます金融機関から離れていくでしょう。
今金融機関に誰も期待していません。だからこそ、ちょっとまともに投資家に受け止められることをすれば、好印象を得る絶好の機会だと思います。何故、こんなイメージアップの機会に、イメージを下げる金融機関が多いのでしょう。周りが見えていない証拠だと思います。