大手銀行から地域金融機関に至るまで業績が悪化しています。サブプライムローン問題という特殊事情もありますが、「品揃えに頼る」、「インターネット取引に頼る」、「キャンペーンに頼る」。窓口業務の対応能力アップをおざなりにしてきたツケが出てきていると思います。
店頭に顧客が訪ねても誰も声をかけようともしない。投資相談に来た相談者に対してマニュアル対応しかできず、会話を進めて相談者の意向を確認する教育もろくに受けていない。最低限の商品知識さえも持ち合わせていない・・・などなど。
これは現場担当者の問題で片付けられるものではなく、金融機関の姿勢の問題だと思われます。金融機関は顧客との接点である相談窓口に力点を置く方針を明確にして、相談窓口としての最低限の機能を確保しておかないと、「当てにならない金融機関」という烙印を押されることになりかねないでしょう。
もし「相談窓口」としての役割を果たせないとギブアップをするのであれば、いたずらに「売れるか、売れないのか見込みの立たない」投資信託や変額個人年金保険の販売窓口の役割から降りるべきでしょう。中途半端な投資との関わりは、かえってその金融機関のマイナスイメージになり、命取りになるでしょう。
特別新しいことを始める必要はありません。相談者が金融機関に求めていることで、そして現在できていなくて、不満に思われていることを改善していくことから始めればよいと思います。
そして、金融機関のトップは「何故現場でそれができていないのか」を知ることが大事ではないでしょうか。「トップの言うことは立派なのに」。頭に体が付いてこない。意識改革が必要な金融機関が多いと感じます。