先日もこのブログで書きましたが、市場金利は中長期投資に耐えられる水準に入ってきました。
「そろそろ買っても良い水準」に株価が下落してくると「もっと下がって、もっと良いところで買えるのでは」と欲が出て買えなくなり、思った通りに下がると、今度は「株価が下がるのがこんなに明らかなのに何故今買おうとするのか」と回りの言葉に惑わされる。結果相場の方向性を読み切っていたのもかかわらず投資せずに過ごしその後の上昇相場を眺めてしまう。「なんてだめなやつ」と自分の優柔不断を責めてしまう。そんなこと、多いですね。
確定金利の金融商品も同じです。「これぐらいの金利水準になったら、確定金利商品を選んで利息を楽しもう」と考えて待っていたのに、いざ金利がその水準に来てしまうと、「もっと金利が上昇するかも」と待ってしまいます。私はいつも思うのですが、「金利上昇場面は、固定金利で長期物は避けましょう」と多くの専門家は当たり前のように警戒の言葉を発して注意を促しますが、そのとき同時に「この金利上昇場面はいつまでも続くものではありません。したがって、じっと見ているうちに金利が下がってしまうリスクもあります」と、金利が上昇するリスクを強調するだけでなく、金利が低下するリスクについても、説明すべきだと思います。
金利が上昇する前に「金利が上昇するリスク」について発信しているならともかく、金利が上昇している最中に、今になって注意を喚起する有り様は、大田弘子内閣府特命担当大臣が原油高騰の状況を「遺憾に思います」とコメントするに等しい、役に立たないだけではなく、見識を疑いたくなります。
市場金利は国債利回りで、2年0.85%、5年1.34%、10年1.75%、20年2.32%。急転直下、金利低下に向かう雰囲気はありませんが、債券を売却して作った資金が右から左に流れているとも思えず、この現金化した資金はどこに流れていくのでしょうか?
価格変動を嫌って安全に安住したくて債券に流れた資金。一番安全な先が現金、短期資金と言うことでしょうか?だとすれば、金余りが加速する可能性が更に高まります。目先の金利の天井が確認されるまで、当面キャピタルゲインを目的にした投資対象に分がありそうです。
ここからは、株価とともに、金利の動向にも要注目です。これは日本だけで起こっていることではないですよ。海外の金利動向にも要注目です。