下げすぎが割安に変わるのはいつか??

 妥当価格を見失うほど上昇した価値は、「ここで下げ止まるだろう」という一般の常識価格を割り込むと下げが加速します。新たな下げの常識価格が設定されますが、それが次々と破られるとパニックになり、買い手は様子を見て、売り手は泣く泣く処分を迫られ、更に下げが加速します。現在の原油を含めた資源価格、金(ゴールド)価格、通貨ユーロ、ポンドが、そんな状態にある気がします。
 原油価格は100ドル割れは必至。100ドルを割り込んだら、次の一般常識価格はどこでしょうか?金価格はついに750ドル近辺に下落し、1年前の水準に。もともと、730ドルを超えてから上昇が加速しましたが、そのスタート地点に大分近づきました。
 通貨ユーロも、ドルに対して一年前の水準まで急落し1.39。ユーロも1.38を抜けてから上昇に弾みがつきました。それでは通貨ポンド。こちらはドルに対して1.75。3年前の水準まで急落。チャートで見れば、底近辺まで弱含み、割高さはすっかり消えてしまいました。
 利益が出る過程では右肩上がりで時々発生する押し目で追加投資を行うのが普通ですから、自然とポジションは増えていくものです。したがって、リスクコントロールに優れた人でなければ、行って来いで元の水準に戻れば、買い足した分損が発生しているのが普通であり、途中儲かっていた人も、この一年を振り返って「何かなあ」と溜息をついている人が多いのではないでしょうか?
 マラソンもみんなが苦しいときこそ、凌いでペースを保ち、ペースの落ちた人を地味に抜いて順位を上げていかないと好位置をキープすることはできません。
 私が良い投資信託だと評価するのは、ただ成績が良ければいいというわけではなく、「好環境では平均以上の実績を残し、悪環境でも、それまで貯めた利益を吐き出すことなく守る」というミドルリスク・ミドルリターンの投資信託です。「アクセルを踏めばスピードが出る」のは当たり前。素人でも出来る。「スピードを出しても、事故らないテクニック」がプロの腕だと思います。
 今ですよ。このときですよ。投資を経験し勉強するのは。このときに「投資なんてこりごり」と思う人は、また割高になってから同じ失敗をしてしまいますよ。よく言われることですが「ピンチはチャンス」。あきらめないでくださいね。投資の成果は継続した人のみに贈られるご褒美なのですから。