注目されたG7の声明内容を見て、聞いて、「想定内。意外感がない。具体性がない」というコメントが多いですね。大抵の人が「現状では、そういう言い方しか、伝え方しかできないよね」と本心では思っていたでしょう。しかし、市場はすでに駄々っ子になってしまいましたから、泣き疲れて泣きやむまで見守りながら、各国の政府・中央銀行は連携を取りながら実行の一歩一歩を刻んでいくしかありません。時たま、市場のきまぐれな期待感で相場の自律反発はあるでしょうが、即効性のある、画期的な対応などあるわけがなく、改革には必ず痛みが伴うものです。良いところを見ては期待を膨らませ、悪いとこを見ては悲観に陥る。
今回のG7の機会はやはり意味があったと評価したいと思います。今は「危機克服のために、あらゆる手段を取り続ける」という確認を取った事実は大きいと思います。これによ、危機感の薄い、もしくは、ずれた認識の国や政府・中央銀行の姿勢があれば、厳しく世間に問われることになるでしょう。そういう危機管理意識の調整機能が整えられたのは、政策の実行に対するスピードも期待できるのではないでしょうか。
いずれにしても、投資マネーは世界的に敗戦処理を迫られ、かつて野放図に投資を行った結果の多大な損失を招いた責任が問われる時代に入るので、投資マネーの戦線縮小はしばらく続きます。相場の上昇局面では買いたい人よりも売りたい人の方が多く、できれば、より確かなところへお金は流れようとするでしょう。すぐの値上がり益を期待せず、辛抱強く、将来の種を蒔く投資を強いられます。うまい話には注意しましょう。「信じられないでしょうが・・・」という耳打ち話は、本当に信じてはいけませんよ。