本日の日経新聞朝刊で気になる記事がありました。これまでREIT(上場不動産投信)は国内の不動産のみの運用でしたが、国土交通省は2007年度にも海外不動産を運用対象として解禁するとのこと。
大義名分は国内外への分散投資を可能にし、安定的に収益を出せるようにするということだが、はたしてそうなるでしょうか。
餅屋は餅屋。なんでも自分でやろうとせず、海外の不動産であれば、海外事情に詳しいプロにまかせ、そのプロの商品を国内で購入できるようにするのが本筋ではないでしょうか。REITの特徴は賃料収入の安定確保に特化した不動産のプロ集団であることです。しかし、国内の事情と異なる海外不動産に対しても同様にノウハウを持ったプロであるとは到底思えません。
日経新聞の別欄に、米国の観光都市ラスベガスではリゾートマンションが売れなくなってきたと伝える記事もありました。マンションブームは日本に限った話ではありません。下手に海外不動産が解禁され、割高な物件をつかまされて、投資家が損させらる事態になったら、何のための分散投資だったのでしょうか。もし解禁が認められたら、投資家は海外の割高になった物件のはめ込み先として、日本のREITが利用されないように監視が必要になるでしょう。
ところで今回の件は、REIT側から海外不動産を取り扱いたいという要請があったのでしょうか。それとも国土交通省側の事情でしょうか。私には何か唐突な話に感じます。誰が、どんな目的で、解禁の話を、このタイミングで求めているのでしょうか。確認したいものです。