三井住友フィナンシャルグループが日興コーディアル証券と日興シティグループ証券の大半の事業を買収することになりました。三井住友は大和証券グループ本社とビジネスパートナーであり、大和証券グループ本社の役員がコメントしていたように、大和証券と日興コーディアル証券が今すぐに統合することは常識的には難しい。ダブル部分が多く、あえて統合するコストに見合わないと思います。
三井住友は当然、日興コーディアルを買収すれば、大和証券との関係がギクシャクしても仕方ないと覚悟していたのだろう。三井住友の傘下にはなりえない大和証券よりも、三井住友グループ傘下のリテール証券会社としての役割を日興コーディアル証券に期待したということなのか。
確かに日興コーディアル証券が傘下に入れば、三菱UFJ証券とモルガンスタンレー証券を統合する三菱UFJグループやみずほ証券と新光証券等を傘下に抱えたみずほグループよりも、安定感を確保したようにも見えます。
逆に、日興コーディアルグループ買収後の大和証券は微妙な立場ですね。これまでのように、リテール向け証券会社として三井住友と独立した立場で生き残りをかけるのか、それとも、日興コーディアル証券と補完していく関係をめざしていくのか。
日本もアメリカのように、独立した証券会社はなくなり、銀行グループの傘下に入ってしまうのか。残念ながら、現在の証券会社の社員は証券マンというよりも金融マンに慣れてしまって、銀行の傘下に入っても違和感はなくなってきました。おそらく多くの日興コーディアルの社員はすぐに三井住友グループの金融マンとして溶け込んでいってしまうのでしょうね。よいのか悪いのか。