情けない、頼りにならない年金運用!!

 昨日、日本株式相場は厚生労働省が年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)について、国内債券中心の運用を求めない方針と指摘したことをきっかけに、年金買いで株が買われると好感され上昇しました。


 年金を運用する考え方の中に「受託者責任」というものがあります。受託者責任とは資金を託された人のために業務を遂行すること。繰り返しますと、資金を託された、つまり年金資金を預けている人のために最上の運用を行うことが求められています。


 多くの人が、「現在の国債中心の運用では年金運用が想定する利回りは達成できない」と年金運用の方法を疑っていますし、これまでの運用結果にも満足していません。


 残念なのは、第三者に指示されないと運用方針を改めることができない運用責任者です。何より資金を預けた人のための運用であり、方法に自信があるなら方針を貫き、結果が出なければ運用をやめて撤退すべきです。それがプロです。人から指示を受けなければ運用の内容を見直すこともできない人たちに大事な年金資金の運用を任せるわけにはいきません。


 そもそも、そんな頭の固い人たちに、この水準から「株を買え」とか「リートなど対象を広げろ」とか「外貨資産を増やせ」とか責任を持てない発言をし、頭の固い人たちがこれで信任を受けたと、これまた無責任・無分別な運用を始めるなんてことを考えただけで空恐ろしくなります。

 資産配分を何年にもわたって機械的に守るだけの運用責任者を運用のプロだと認めるわけにはいかないからです。運用のプロであれば、その自負があれば、人に何を言われようがぶれない方針があり、結果責任を受け入れる潔さがあるはずです。


 本当に年金運用の方針を変更するのであれば、なぜこれまでの方針を変えるのかを運用者が資金を預けている人に対して丁寧な説明をし、反省があれば謝るべきです。「だって、そういう風に言われたんだもん」が変更の根拠になってはあまりに残念すぎます。その時点で、現在の運用担当者は運用の世界から足を洗った方が良いでしょう。