同じに考えられたら困る・・!?

 私が柔道で初段を取ったときに、友人が言っていました。「同じ黒帯初段。うーん、絶対次の昇段試験で2段になってやるゥ・・・」と複雑な思いになったようです。その彼は間もなく2段になりました。私のおかげ??
 昨日、日経新聞社が主催する「不動産ファイナンスフェア」に参加し、いくつかの不動産投信(REIT)の会社説明も聞きました。2001年9月に不動産投信が誕生し、現在40社を数え、正直、当初から不動産投信に関心を持って見てきた私でも、個別銘柄の詳細を見て、比較するのが困難な、わかりにくい市場です。不動産投信市場は今でこそ成功と言う声がありますが、当初は難産で上場企業の数がなかなか10銘柄に及ばない時期が長く続きました。その後、パイオニアである不動産投信の活躍と不動産市況の回復を受けて、続々と上場する企業の数が増えました。いわば、初期の不動産投信の実績にただ乗りしている会社が増えている可能性があるわけです。
 実際、投資信託法に定める「不動産投信(リート)」でないにもかかわらず、商品名に「REIT」、「リート」、不動産投信という言葉をつけた金融商品が販売され、その中には、配当が出来ず、解散を余儀なくされ、個人に被害が出ているケースが出ています。
 つまり不動産投信、リート自体が良いとか、悪いとかの次元ではなく、個別の会社が自分の投資対象としてふさわしいかどうかを見なければならないということです。実績があり運用・管理に自信があるところは「良いリートを見極めるポイント」を一生懸命説明します。勉強してもらえば、きっと自分の会社を投資家は選んでくれるという自信が見えます。
 「ちょっと、あれっ?」という会社は、「いかに不動産投信はミドルリスク・ミドルリターンで、安定した実績をあげているか」という不動産投信市場の話が主体になっているように感じました。不動産投信を購入する場合は、その会社の運用方針を聞いた方がよいですよ。今は大抵の不動産投信がホームページで、会社説明会のライブを流しています。
 今年不動産投信の価格の動きを示す東証リート指数は、年初から11月末までに14.8%上昇。日経平均株価以上の上昇です。その買いの主体は外国人。不動産投信先進国、米国、豪州のリートの配当利回りは、国債利回りと同じか、それよりも低いそうです。日本のリートの配当利回りは約4%、国債利回りは約1.7%でリートの方が高くなっています。日本のリートは、米国、豪州に比べて割安だと外人は評価しているそうです。これってどう思います?
 グローバルリートが国際分散投資の手段として人気がありますが、日本よりも割高になっている海外のリートを組み合わせる意味があるのでしょうか?もしリートが分散投資で必要であれば、パイオニア的な存在で実績のある国内リートを個別に選択した方がよいのではないでしょうか?
 それから、これだけ国内リートの銘柄が増えたので、「東証リート1部・2部」とクラス分けするなど、東証は投資家が銘柄選別しやすいように工夫は出来ないのでしょうか。明らかに、同じ土俵で評価したら気の毒だろうという状態にあるように感じるのですが。証券取引所は場の提供だけで、投資判断は自己責任というつもりはないと思いますが・・・。