私はずっーと前から、「中国株投信を勧められているのですが」、「インド株投信を勧められているのですが」、「BRICs投信を勧められているのですが」、「VISTA投信を勧められているのですが」と聞かれるたびに、「敢えて買いは勧めません。もし買われるのであれば、買わなくて後悔しないように気持ちに負担が残らない金額での投資をお勧めします」と言い続けてきました。
結果どうだったか。見事な完敗です。基準価額が2倍とか3倍になっています。そして今でも私は「これからでも買って間に合うでしょうか」と聞かれるたびに、「買わないことで不安を抱えるのであれば、負担にならない投資金額だったら良いと思います。しかし、もし下がっても5年、10年持切って我慢しますと腹を据えて投資する覚悟があるなら、同じ5年、10年を割安になるのを待って投資したらどうですか」と答えています。すると大抵の方が「やっぱり前川さんは勧めていないんだ」と苦笑します。
何度も言います。私は新興国株式投信を勧めてこなかったことで、多くの投資家の儲ける機会を奪ってしまいました。これは私の見方の間違いであり、完敗です。ミスリードでした。私のアドバイスを受けて、新興国株式投信の買いを見送った人、もしくは解約をしてしまった人に対して、大変申し訳なく思っています。私を思いっきり責めてください。「あのとき前川のアドバイスを聞かなければこんなことにならなかったのに。前川の下手のせいだ。私は買いだと思っていたんだ」。
しかしそんな私の声にならない声に少し耳を止めておいてください。「投資で一番残念な結果は大きな損をして途中で投資の継続を諦めてしまうこと。大きな損をしないで投資を継続していれば、必ず大きなチャンスの波は何度でも巡ってきます。私の関わる人が私の注意で大きな損をすることを回避できれば私が存在する意味があると思います。私はクライアントから、前川さんに大きく儲けさせてもらったと感謝されるよりも、前川さんがいたから大きな損をせずに済んだと感謝されれば本望です」。少しかっこよすぎるかもしれません。
昨日の亀田親子の謝罪会見を見て、「私ははっきり謝罪しよう」と思いました。
「結果は完敗でした。私のミスリードでした。責めは私にあります」