「あれはダメ。これはダメ。何故ならこうだから。これってあり得ないでしょう」と、出てきたものに対して、反対、難癖をつけようと思えば、どんな提案も100%の提案はなく、あらを探せば見つかります。したがって反対者はよりよい提案に仕上げていくために、「何故改善ができるのにやらないのか」と提案者のサボタージュを指摘し、具体的な逆提案、対案を示す必要があります。
一方、明らかに修正しなければならない根本的なあらが見つかれば、提案者は誤魔化さず、すぐに修正する意志を明確にしなければ、その提案自体の実現性さえも疑わしいものになります。
「あたご漁船衝突事件の真相が曖昧のままで、日銀総裁後任人事の話は決められない」。
「あたご」事件と日銀総裁後任人事は別でしょ。政治家さんの頭は一つに集中しないと、物事の判断ができないのでしょうか。そんなことを言っていたら、この山積した問題は積み上がる一方で解決する期待なんて持てません。
時間ギリギリまで無駄な議論に費やし、やっている振りをして、判断したくないものは期限が来たら全て先送り、当初からどっちでも良いと考えていた課題は「与党・政府に押し切られた。非常に不満だ」とコメントを残して終わり。
予算案審議が終わったら、中国、韓国の訪日の準備に追われ、その後は「そろそろ環境問題を話題にして盛り上げるか」という具合に、準備不足でにわか仕込みの議論がテレビなど交わされるのかと思うとうんざりします。
「必要な道路、必要でない道路」。東国原宮崎知事があれほど言うのだから「宮崎には道が必要なのだろう」というのが伝わってきました。知事のみなさんが東国原知事のようなアピール能力や場があるわけではないので同じ事をやれと言っても無理だと思いますが、「何故この道路が必要なのか?何故この道路にこれだけのお金をかける必要があるのか?」を説明して理解してもらえれば優先的にお金を回してくれるのであれば、説明する場に出たいという道路建設推進者がきっといると思います。東国原知事の「道路が欲しい」という話はわかりやすいですよね。必要な道路の話は聞いても分からない難しい話でないことがわかりました。
「何故必要なのか」、「そのためにいくら資金が必要か」、「それだけのコストをかけてでも行う必要があることなのか」は当然、どんな道路計画案でも丁寧に審議されるべきです。「効率性には問題があるがセーフティネットとして必要」という案ももちろんあるでしょうし、その場合「セーフティネットの手段として、どの程度の道路が必要なのか。道路以外にもっと優先すべき事はないのか」など、考える余地があると思います。
そうした議論が道路建設道議付けのモノサシになるのではないでしょうか。おそらく、「こんな理由、こんな積算根拠じゃ理解は得られないよなあ」という優先順位の低さを気づかさられ、見直しをかける道路計画が多くなるのではないでしょうか。
投資の分野では、やはり日銀総裁後任人事の行方が気になります。正直言って、民主党が何で武藤副総裁の昇格に反対しているのか、根拠が分かりません。反対なら反対で結構なので、民主党が武藤副総裁に代わる適当な候補を明示すべきです。
「武藤氏が副総裁になるときも民主党は反対した、だから総裁昇格にも反対」なら、昨日や今日急に総裁後任人事交代時期が決まったわけではないのだから、その間は何をしてきたのでしょうか?何でこの人という総裁候補を押し立てられないのでしょうか?
「反対するが為の議論」を繰り返す民主党には、期待しているだけに残念です。
政治ダメ、金融ダメ、外交ダメ。海外は日本をすっ飛ばして頭越しに、国益を考えて行動、議論をしているようです。
「あたご事件で日銀総裁後任人事がストップしています」、「もしかしたら日銀総裁が空白になる時期もありそうです」・・・。外国人投資家にとっては「はあ?」と、とっても理解不能な国であることは間違いないでしょう。「日本自体がKYだね」。