投資は始める前よりも、始めた後の方が悩みや不安が多くなるものです。「こんなに悩むなら、何故始める前にもっと悩んで検討しなかったのだろう」と後悔する人がほとんどではないでしょうか?
投資のリスクは、言葉で分かったつもりでも、結局経験したからこそ気づくことが多いものです。
投資をする前は頭がいっぱいいっぱいになっているので、業者からリスクの話を聞いていたとしても、リターンにばかり関心が向き、リスクの印象が薄くしか残っていないことが多いでしょう。
したがって、損して初めてリスクの大きさを知ることになります。
今後は特に投資を行う上で重要なことは、業者側はリスクをきっちり説明し、投資家側は「リターンの源泉であるリスクとして、どんなリスクを取っていて、どの程度大きなリスクなのか」の説明を聞くことです。リスクを知った上で、「そのリスクを取っても実行する意味があるぐらいのリターンがあるか」のバランスを見ないで投資することは目隠しをして突進する行為に等しい無謀なことです。
手前味噌ですが、今回出版した「いま債券投資が面白い」で集めた内容は、このモヤモヤしたリスクのイメージをわかりやすく説明したり、投資判断で大事な割安・割高の測り方を示したり、「過去に比べて現在は高い位置にあるのか、低い位置にあるのか」だとか一冊に収めたいと考え、書いたものです。この一冊を持って説明すれば、相談者へのリスク説明がスムーズになり、この一冊を相談者に読んでいてもらえれば、リスクを踏まえた上での前向きな話に入りやすい。そういう意図を持って書きました。
したがって、この本は「一から投資の勉強を始めたい前向きな投資家」、そして「そういう投資家の相談に乗り役に立ちたい人」向けの本です。投資に悩んだ経験がある人、投資の説明に悩んだ経験のある人には、きっとお役に立つ内容だと思います。
ちなみに、以下がその本の内容です。自分で自分の本を薦めるのは、本当に照れくさいのですが、人に読まれて初めて意味がありますので、敢えて紹介しました。立ち読みでも結構ですから、内容をサラサラッと眺めていただければ幸いです。
内容
第1章 債券は投資のモノサシ
1 多くの人が債券投資を知らないために損をしている
2 800ドルが1万ドルになる
3 「年7%の利回りがすごい」ってこと、覚えておけよ
4 外国債券への長期投資は為替変動リスクを味方につける
5 そもそも金利とは
6 金利を予測するヒントはどこから?
7 なぜ債券に馴染みがないのかの不思議
第2章 債券を預金・株式と比較する
8 もっと早く相談に来てくれていたらと思うとき
9 債券は預金と株式の特徴を知る便利な金融商品
10 最初は為替が怖いと言っていたはずなのに
11「債券なんかに興味なし。俺は株式投資」という方へ
12 新発債(シンパツサイ)と既発債(キハツサイ)
第3章 外債投資のツボを押さえる
13 外貨投資の為替リスクと付き合う上で大事なこと
14 外貨投資をするときの金融機関選び
15 預金にするか、債券にするか
16 自分でできないことを人に任せるのが投資信託
17 グロソブは外債投資のモノサシ
18 外貨投資を直接自分で行う場合どれくらいの投資資金が必要なのか
19 信用リスクを取ってでも高利回り債券に投資したい人には
第4章 債券を知れば資産運用の世界が変わる
20 債券を利用すると将来の不安が一つ解消する例?
21 債券を利用すると将来の不安が一つ解消する例?
22 そのときどきの債券投資
○巻末資料データ
1主要金融商品金利一覧表 2個人が投資できる国内債券の例 3個人が投資できる外国債券の例 4債券投資をする前に知っておきたい用語? 5債券投資をする前に知っておきたい用語? 6債券投資をする前に知っておきたい用語? 7債券価格の変動要因 8税金の扱い
9 日本銀行の金融政策 10金融機関が決める金利と市場が決める金利
11新聞を読むときは国債利回りの見出しに注目 12先進主要国の政策金利の推移
13償還満期まで「短い債券」から「長い債券」を並べてみてわかること
14個人向け国債の商品知識 15金利の割高・割安を測る方法?
16金利の割高・割安を測る方法? 17金利の割高・割安を測る方法?
18金利はけっこう上下しています 19英ポンド、米ドル、ユーロ、そして豪ドル
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