「もう一段の株高・円安になったら・・」をイメージしたとき!!

 本日の日経に「個人マネー回帰の兆し 株式投信1−3月再び資金流入に」という記事があり、株式投資信託が昨年10−12月に4375億円と過去最大規模の流出をした後、この1−3月は594億円の流入になったという内容です。
 そこで専門家(??)の見方として、ファイナンシャルプランナーの福田氏と私のコメントが取り上げられています。福田氏は「この資金流入が継続するかは不透明であり、海外の為替、株価の流れが変われば変調しかねない。個人投資家は慎重であり、国内株式型への積極的な資金流入は起きそうにない」とコメントしています。
 対して私は「投資信託の資金流入は今後一段と進む可能性がある。投資家心理が改善傾向にあるためだ。日本株の3月の急ピッチの戻りに乗り遅れるなどした投資家は次の投資機会を探っている」とコメントしました。
 一見異なる意見のように聞こえますが、同じ事を見ているコメントだと私は受け止めています。
福田氏は「もし海外の為替や株価が急落したら、積極的な資金流入は起きそうにない」とコメントし、私は「投資家心理の改善傾向が続けば、投資信託の資金流入が今後一段と進む可能性がある」といった前提の違うところでのコメントになった結果です。
 つい最近福田氏とご一緒させていただく機会で、福田氏は「今後は希に見る日本株式へ投資チャンスだ」と言われていました。二人の間に、それほど日本株式相場の先行きの見方に違いはなく、「目先相場が下落して人気が離散する可能性はある」という認識の中でのコメントだと思います。
 私は日経平均株価1万円、1米ドル=100円を割れた以降についた値は、根拠に裏付けられた数字ではなく、ムードがつけた数字だと思っています。「なんで、こんなに株価が安くなるんだ?円高になるんだ?」と言っても仕方ない、ムードで市場が動かされた結果の数字だと考えています。そして今現在も、「なんでこの株価なのか。為替水準なのか」という根拠が見つからない状態が続き、ムードに左右される相場の中にいます。
 原油価格が底値から50%高くなったという記事が、やはり本日の日経にありました。しかし、それでも50ドル程度、高値から3分の1の水準です。あの147ドルの高値もムードであれば、30ドル台の原油価格もムードでつけた値です。そして原油価格が、特に根拠もなく、来週再び40ドルを割り込んでも、60ドル台に乗せてもおかしくないムードがあり、もしそうなったとしても「根拠もないのにおかしい」と叫ぶことにどれだけ意味があるのでしょうか。
 だから私は今、ムードを大事にしています。「もしGW明け後、1ドル=104円になっていたら、日経平均株価が9500円になっていたら」と想像、イメージしています。「その根拠は?」と聞かれても困ります。そもそも、「景気が悪化し、後退し、金融危機が深刻化した」という事実は受け止めていますが、「なぜその結果、原油価格は147ドルから30ドル程度まで下げたのか」。その30ドル程度の数字の根拠はなく、20ドルでも良かったし、40ドルでもよかったはずです。
 同様に、ムードで「妥当価格はどこにあるか」という模索する相場であれば、いつ思っていた数字にあってもおかしくないという準備が必要だと私は考えているからです。
 1ドル=104円、日経平均株価9500円に根拠はありませんが、もしそうなったら、為替の水準や株価の水準に興味を持つ人の数がさらに増えると思うんですね。
投資する、投資しないは別に関係ないのです。関心を持つ人が増える、参加者が増えること自体がムードの好転を早めます。そのときに、何から新規投資を始めるのか。歴史が繰り返されると考えれば大暴落の後は、高金利が期待できる確定利回り商品、外債投資。そして、割安な対象をピックアップした投資信託へと広がっていきます。
 今大事なことは、福田氏シナリオ、前川シナリオ、それぞれの投資環境になったときに、「自分にあった投資スタイルとして、どうあるべきか」を考えて準備しておくことだと思います。