脱中東ではなく「三者両得」の道を ――ホルムズ海峡に新しい「自由航行ルール」を
こんにちは。最近のニュースでは、中東情勢の緊張を背景に「脱中東」という言葉を頻繁に耳にします。制裁と対抗措置の応酬、エネルギー価格の高騰、物流の混乱。多くの専門家が「中東依存はリスクだ」と指摘します。
しかし、「脱中東は本当に私たちにとって、世界にとって正解なのか」を今一度立ち止まって考えるべきだと思います。今の流れは、資源供給国も利用国も損をする「全員負け」のシナリオに見えてなりません。
■ 「脱中東」がもたらす緩やかな自滅
もし世界が本当に中東から距離を置けば、湾岸諸国は主要顧客を失い、原油価格は下落し、地域の重要性は低下します。一方、利用国は、莫大なコストと時間をかけて代替エネルギーを探し、その過程でインフレに苦しむことになります。つまり、今の「脱中東」は、誰もが望まない方向へ押し流されている状態なのです。
であれば、逃げるのではなく、海峡の価値を再定義し、全員がハッピーになれる「新しいルール」を作るべきではないでしょうか。
■ 「ホルムズ版・自由航行パートナーシップ」という選択肢
私が提案したいのは、かつてのTPP(環太平洋パートナーシップ)のような、実利を軸にした多国間の「航行の安全ための枠組み」です。マラッカ海峡で沿岸国と利用国が協力して安全対策を進めてきたように、環境管理には前例があるようです。
イランが海峡を支配下に置きたがるのは、そこに「世界が通らざるを得ない価値」があるからです。ならば、その価値を最大限に活かしつつ、平和的に管理する仕組みを作ればよいのです。
具体的には、日本、中国、インド、湾岸諸国、そしてイラン自身が加盟する「航行安全機構」を設立し、軍事ではなく経済的インセンティブで安全を確保します。
- 加盟国の船舶には、低コストな共同保険や優先通航権を与える。
- イランには、安定した航行を提供する見返りに、加盟国への優先的な石油販売枠と、インフラ投資を保証する。
- ルール違反があれば、米国ではなく「加盟している全顧客」から投資・送金が停止
特定の国に依存しない自律的で持続可能な秩序が生まれます。
■ 三者両得:トランプ、イラン、そして世界
この構想の魅力は、当事者全員が「前向きな成果」を得られる点にあります。
まず、トランプ大統領。彼は「私の英断でホルムズ海峡に乗り出したことで、過去の政権が成し遂げられなかったイラン問題を、しかも同盟国の金で解決した」と、歴史上最高のディール・メーカーとして自慢することができます。
次に、イラン。彼らは「米国の不当な封鎖を跳ね返し、アジア諸国との連携によって経済的自立と主権を守り抜いた」と、国民に勝利を宣言し、経済再建の資金を得ることができます。
そして、湾岸諸国、日本を含む利用者たちです。私たちは安全で安価な航路を再び確保し、地政学リスクに怯えることのない安定した経済環境を取り戻すことができます。まさに「三者両得」のハッピーエンドです。
■ 今、日本に求められる「結びつける力」
ふと、もし今、安倍元総理が存命であったなら、と考えてしまいます。 トランプ大統領の虚栄心を満たしながら実利を引き出し、同時にイランや湾岸諸国の面子を立てて一つのテーブルに着かせる。そんな「猛獣使いの外交」ができるリーダーがいれば、この構想はすぐにでも動き出していたかもしれません。
しかし、米国が「米国ファースト」で同盟国をディールの材料にする時代だからこそ、私たち同盟国の側が「米国を危うくさせるほどの自立能力」を高め、自分たちでルールを作る覚悟を持つ必要があります。
日本は「従順な同盟国」の顔をしながらも、着々と他の国々と関係を密にし、こうした「実利による平和」の道筋を一歩ずつ進めていくべきではないでしょうか。
皆さんは、この「ホルムズ新秩序」の構想について、どう思われますか? 「そんなの理想論だ」と思われるでしょうか、それとも「今の不条理な世界を変える唯一の現実解」だと思われますか?
ぜひ、皆さんの率直なご意見をお聞かせください。

