上がれば下がり、下がれば上がる。気がついてみると、為替は円安、ユーロは一時170円、豪ドルは104円、米ドル108円の水準に戻り、10700ドルまで急落したニューヨークダウは1週間程度で1000ドル上昇、日経平均株価も14000円が再び見えてきました。
一方原油相場145ドルから、だらだらと下落が続き124ドルと、商品相場全体に軟調さが目立ちます。
これは、ひとえにポールソン米財務長官の「米ドルを守る」ため、天敵インフレ懸念の払拭、金融システム不安の払拭に、連日精力的な発言、行動を繰り返しているおかげです。
今年春先までは、バーナンキFRB議長のなりふり構わずの金融緩和政策、金融支援。その後、「米国の打つ弾は尽きたか」という緊張感が走ったところからは、ポールソン米財務長官の活躍です。米国には今、この一瞬に気を抜いたら、「これまで積み上げてきたものを全て失う」という緊張感があります。ある意味、見ていてうらやましいですね。日本にそのかけらでも見えれば・・・。
現在の為替水準では、買い方は「結果長く持つ覚悟があれば、外貨投資は割が良い投資対象。ここから多少の円高に振れても想定内」と腹が据わり、一方、売り方は「いいところで買い戻して利益を固めないと結果的にやられてしまう」という売り疲れがあるでしょう。「もっと円安になったら、再度売り込んでやる」という人の数は少なくなってきているように思います。
株式の水準は内外ともに割安だと思います。「相場の混乱が解ければ、ここまでの株価水準には戻るだろうなあ」と、おそらくみんなが考えている水準には、いつ戻ってもおかしくない状況にあると思います。それは、売っている人たちも理解しているので、「目先の下げで利益を取ろう」と考えている人の見切りが早いこと。一転、買い気配に変わる銘柄多いですねえ。
このように、現在はまだムードで買われたり、売られたりする相場が続いています。したがって、われわれ中長期で構える投資家は、「ムードで売られた相場は買い、ムードで買われた相場でぬか喜びをしない」というスタンスが大事ではないでしょうか?
「正義は勝つ」ではないですが、「割安であればいずれ見直される日」が来ます。自分の感覚を信じましょう。